散歩の風景 ~文月~
梅雨も明け、いよいよ夏本番となりました。7月の工房周りの風景を振り返ってピックアップしてみました。
田植えから2ヶ月近くになると、あんなに小さかった苗がずいぶん立派になってきました。畦の草刈も大変な時期ですが、今月下旬にはいよいよ穂が出始めます。
八百津町の花、ササユリが可憐な姿を見せてくれています。葉や茎が笹に似ているので、この名があります。淡いピンク色の花もあり、どちらも凛として緑の中に目立っています。
オニグルミの果実も日に日に大きくなってきました。食べられますが、殻が厚くて硬いので、実は小さく取り出しにくいです。殻は硬くて破片が尖っているので、環境負荷が少ない自然素材として、スタッドレスタイヤにも利用されています。まさに日本ならではの発想ですね。
校庭から雲を眺めていると、飽きることがありません。生まれては消え、消えては生まれ、時々刻々とダイナミックに変化していき、同じ形は2つとありません。古の人々も、それぞれの時代の中で、この雲を見上げていたと思うと不思議な気持ちになります。
町中の公園でも見かけることのあるエゴノキに、たくさんの実がぶら下がっています。小枝の先にネコノアシと呼ばれる、白色の虫えい(虫こぶ)もたくさんできています。元々の植物組織の一部が、他の生物などの刺激を受けて、本来のものと違う姿かたちになるというのは、これまた不思議なものです。
山里のいたるところに生育しているツル植物のフジは、紫色の可憐な花が終わると緑の中に紛れてしまいますが、実を結ぶころになると、その存在がよく分かります。扁平なネムノキの実と比べると、かなり立体的でボリューム感があります。